※6月17日付10面掲載のコラムの続き
国連世界観光機関(UNWTO)は、世界青年学生教育旅行連盟(WYSE)と共同で行った若年層旅行者に関する調査レポート「パワー・オブ・ユース・トラベル」を発表した。レポートによると、若年層旅行者(15~29歳)は、世界の海外旅行人口10億人の約23%を占め、お金はないが旅行先に長く滞在するため、消費額は平均以上に高い。
「ミレニアルズ」と呼ばれる1980年代から2000年代生まれの世代が中心で、地元の暮らしを求め、他者との交流に積極的。行動範囲が広く、都市部以外にも足を伸ばす状況が明らかになった。
【若年層旅行 具体的な施策案】
・夏休み旅行者の集客(欧米学生の長期夏休み=5月末から9月までの約3カ月間が一般的だ)。長期滞在特典や体験オプションとしては、日本文化体験(歌舞伎など)や社会科見学(企業の見学ツアー、ボランティア活動)などがある。
・海外留学生来日時の仮滞在先を探る方法として、日本への留学生情報サイト「Japan Study Support, Information for international students」(http://www.jpss.jp/en/)がある。日本語を含む8言語で、留学先を探す項目から、来日手続き、日本での生活に至るまでの情報が充実しており、来日当初の宿泊先(http://www.jpss.jp/ja/life/before/9/)として、長期滞在型ホテルの利用も紹介されている。
留学期間前後(宿舎やホームステイ先との契約期間前後に滞在するケースや留学前に下見するケース)の宿泊先として選ばれるように、学割プランや、留学生応援プラン(海外のパスポート+日本のビザを持つ学生対象)を用意する。
・同伴家族・友人の滞在先・留学生に会いに来る家族・友人向けの長期滞在プラン。
【まとめ】
学生インバウンド集客は、ニッチなマーケットではあるが、世界的に今後も増加が期待されるマーケットになる。海外学生向けの商品(宿泊プラン、学生レートなど)を用意したら、まずは自社ウェブサイトに商品を掲載する。集客プロモーションには、SNSを有効的に活用しよう。
(コレリィアンドアトラクト代表取締役)